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第134回 ~埋もれた台地の記憶~小林八束(おばやしはっそく)1遺跡

更新日:2024年4月1日

問い合わせ先:文化振興課文化財・歴史資料係

 小林八束1遺跡は菖蒲総合支所の南西に位置する遺跡で、埼玉県による発掘調査が平成18年~令和元年の間に7度にわたって実施されました。
 この場所は現状が低湿地(ていしっち)であることから遺跡はないと考えられていました。しかし、小林調節池の整備工事の際に多量の土器が見つかったことにより、元々高台であった場所が長い年月をかけて沈降(ちんこう)してできた埋没(まいぼつ)台地であるとわかりました。
 小林八束1遺跡では、縄文時代と古墳時代の住居跡が数多く見つかっており、土器や石器などの道具も大量に見つかっています。
 縄文時代の発見で特徴的なのは、縄文時代晩期の土偶やミニチュア土器などが同じ地点で集中して大量に発見されたことです。これらの資料は日常生活で使われる道具ではないことから、縄文時代に何らかの祭祀(さいし)が行われた場所だったのではないかと推測されています。
 古墳時代の発見で特徴的なのは、方形周溝墓(ほうけいしゅうこうぼ)と呼ばれる古墳時代前期の墓が9基見つかっていることです。特に、台地が埋没したことによって方形周溝墓の盛土がきれいに残っており、貴重な事例といえます。これらの方形周溝墓群は古墳時代前期の住居跡を壊して造られていたため、この場所が居住域(きょじゅういき)から墓域(ぼいき)へと変遷していたことがわかりました。
 また、発掘調査範囲内には、台地とともに埋没した谷の地形も確認され、そこを水場として利用していた痕跡が発見されました。縄文時代・古墳時代それぞれの痕跡があり、足場を組んだような木材や、水場を維持するために掘削したような跡などが確認されています。
 このように、土の中には現在の風景からは想像もつかないような複雑な環境がそのまま残されていることがあります。菖蒲総合支所に訪れた際には、今と異なる当時の風景に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。

このページに関するお問い合わせ

教育部 文化振興課
〒340-0295 久喜市鷲宮6丁目1番1号
電話:0480-58-1111 Eメール:[email protected]
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