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第60回 愛らしい鶏(にわとり)で飾られた 鷲宮神社の金灯籠(かなどうろう)

更新日:2018年7月25日

 鷲宮神社には、国指定重要文化財の「太刀(たち)」(東京国立博物館寄託(きたく))をはじめ、多くの文化財が伝えられています。神社の境内(けいだい)でも、市指定文化財「鷲宮神社関係資料」の「金灯籠」1基を見ることができます。
 この「金灯籠」は、文政(ぶんせい)12年(1829)に氏子(うじこ)などによって建立(こんりゅう)された青銅製(せいどうせい)の灯籠で、頂(いただき)に宝珠(ほうじゅ)、笠(かさ)に龍をモチーフとした蕨手(わらびて)、笠と火袋(ひぶくろ)の間に羽のある天女、中台(ちゅうだい)に龍などの装飾が施されています。
 基礎(きそ)の上段から下段にかけては、寄附者の村名と氏名、金額が刻まれています。それによると、現在の久喜市とその周辺市町域のほか、小川町や飯能市など、74か村377名の氏子と世話人40名が確認でき、鷲宮神社への信仰が広範な地域にわたっていたことがわかります。また「鋳工(ちゅうこう)」として「江戸大門通(おおもんどおり)(現在の東京都中央区日本橋周辺)伊勢屋万之助(いせやまんのすけ)、土橋文治郎(どばしぶんじろう)」の名が刻まれています。 
 基礎の下段には、雌雄(しゆう)の鶏が交互に並び、愛らしく美しいその姿から、当時の江戸の職人の技の高さが推(お)し量れます。この鶏の装飾ですが、鷲宮神社が「お酉様(とりさま)の本社」と伝えられることにちなんだものとの説もあります。
 鷲宮神社にお越しの際は、是非愛らしい鶏たちの姿もご覧ください。

所在地

鷲宮神社(鷲宮1-6-1)

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