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第58回 旧石器時代の石器が出土した 九宮(きゅうみや)2遺跡

更新日:2018年7月25日

 九宮2遺跡は、菖蒲町台に所在する、旧石器時代(約3万5千年~1万5千年前)・縄文時代後期(約4千5百年~3千3百年前)・古墳時代前期(3世紀中頃~4世紀)の遺物が発見された、複数の時代にまたがる複合(ふくごう)遺跡です。同遺跡は、首都圏中央連絡自動車道、いわゆる圏央道の建設により、財団法人埼玉県埋蔵文化財調査事業団が行った開発に伴う発掘調査で見つかりました。地形的には、星川(ほしかわ)と庄兵衛堀川(しょうべいほりかわ)に挟まれた標高10メートル前後の埋没(まいぼつ)ローム台地にあたります。
 平成16年(2004)~平成18年(2006)にかけて3回にわたって行われた発掘調査では、旧石器時代の石器や、縄文時代後期の住居跡や埋甕(うめがめ、穴を掘って埋めた土器)を始めとする縄文土器、それに古墳時代前期の住居跡や土壙(どこう、穴の跡)、土師器(はじき)などが見つかりました。発掘調査当時は、それまで発見例の少なかった埋没ローム台地上に、複数の時代の遺跡が発見されたことに注目が集まりました。
 また、旧石器時代の石器は、比較的狭い範囲から12点がまとまって発見されました。これらの石材には、埼玉県内では採取できない黒曜石(こくようせき)や黒色頁岩(こくしょくけつがん)などが用いられていて、長野県あるいは群馬県などから持ち込まれたのではないかと考えられています。

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