第15回 菖蒲神社の絵馬(しょうぶじんじゃのえま)
更新日:2016年3月23日
菖蒲地区にある菖蒲神社には、市の指定有形民俗文化財の絵馬6面が保存されています。
絵馬とは、祈願のために社寺に奉納した絵入りの額のことです。古代では、祈願の際、生きた馬を神の乗り物として神社へ献上していましたが、その後、馬の代わりとして、板に馬の絵を描いて奉納するようになり、これが現在の絵馬の原型となったとされています。室町時代以降には、馬絵のほかに武者絵や歌か仙せん絵えなどが描かれるようになり、鑑賞画としての一面も兼ね備えるようになりました。
菖蒲神社の絵馬は、「百人一首」、「鞍馬山(くらまやま)」、「飾馬(かざりうま)」などが指定文化財となっています。
「百人一首」は3面一組の絵馬で、天明8年(1788)に平沢喜兵衛(ひらさわきへえ)をはじめとする100人の伊勢太々(いせだいだい)神楽講中(かぐらこうちゅう)により奉納されたものです。この絵馬は、伊勢神宮での太々神楽の奉納を終え、故郷に無事帰還できた記念として作成されたものと考えられます。この絵馬は、3面に小倉百人一首の絵札が描かれている珍しい作品です。
「鞍馬山」は、天保9年(1838)に穀屋(こくや)茂吉(もきち)など16人の商人らによって奉納されたものです。絵馬には、牛若丸が鞍馬山の大天狗に兵法の奥義を伝授される場面が描かれています。これは、細工人斉藤八五郎(はちごろう)によって重厚な大型の絵馬に仕上げられ、狩野派(かのうは)の絵師伊白(いはく)榮厚(えいこう)が下絵を描き、川原塚(かわらづか)白泉(はくせん)が彩色するという大掛かりな作品となっています。
「飾馬」は、朱色の飾りを付けた3頭の馬が描かれている絵馬です。この絵馬は、天明8年に河野(かわの)某によって奉納されたものです。
皆さんの周りの神社にも、多くの絵馬が奉納されています。参詣の際には、昔の人々の願いに思いをはせながら、絵馬をご覧になってはいかがでしょうか。
飾馬
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